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ソマリア支援・永井陽右氏にインタビュー

Tokyo Africa Collection 2018では、ソマリアをテーマにした衣装も出展されます。「比類なき人類の悲劇」と形容されるほど、紛争や飢餓のイメージの強いソマリアのリアルな姿を捉えるため、NPO法人アクセプト・インターナショナル代表理事の永井陽右氏にインタビューを行いました。

 

ソマリアを象徴するのは、砂漠と美しく、豊かな海。アフリカ有数の美しい海岸は、欧州を始めとした世界の人々を魅了するほどです。

 

この隠れた魅力のあるソマリアの人々の国民性は、昔からの遊牧民(ノマド)の気質が現代にも残っていて、あらゆる環境への適応力に長けているそうです。 そして、彼らの好む音楽は、明るいサウンドに乗せた抑揚のある歌が多く、日本の演歌に近いような音の運びで、どこか懐かしいような温もりある音楽です。

 

食生活に関しては、植民地時代の名残で、スパゲッティを頻繁に食べるそうですが、たいていゆですぎてしまったものが多いようです。そして、メインの食材として、ラクダも挙げられます。肉は煮込んで食べ、栄養満点のミルクもまたソマリアの人々を支える食材です。海外、主に中東にも輸出しており、世界シェアの3割を占めています。 このようなことを聞くと、ソマリアのイメージとして挙げられた飢餓とは裏腹に、家畜や海鮮類が豊かなのではないかという疑問が浮かび上がりますが、実際は食料が人々の手に渡るまでのアクセスを止められてしまい、最も必要としている国民に届かないというのが現状なのだそうです。

 

従来のイメージとは異なるソマリアの新たな一面を発見し、また、同時に依然として残されている課題も見つめ直す機会となりました。私達の作り上げるTokyo Africa Collectionは他の多くのアフリカをテーマとしたファッションショー、いわゆる人々の想像で作り上げられた“アフリカ”像を提供するのではなく、実際に現地を訪れ体感したものや、インタビューをもとに受けたインスピレーションをファッションとして表現し、新たなアフリカを皆様に提案していきます。今回のインタビューを経て得た情報、生まれたソマリアへの思い、すべてを込めたステージにぜひご期待ください!

​【取材 牧野静香】

​永井 陽右

 

1991年、神奈川県生まれ。高校卒業後、一浪して早稲田大学教育学部複合文化学科入学。1年生の時に「日本ソマリア青年機構」を創設。「学生だからできること」を標榜し、2013年、ソマリアギャングの社会復帰プロジェクト「Movement with Gangsters」を開始。これまで数多くのギャングを更生、社会復帰させてきた。大学卒業後はロンドン・スクール・オブ・エコノミクス修士課程入学し、紛争解決について学ぶ。2016年9月に卒業後はソマリア紛争の最前線に立ち、国連とアフリカ連合とともに、「カウンターテロリズム」と「武装解除」の2つの手法で、紛争の主要因となっているアルシャバーブの戦力をそぐ活動に従事。2017年4月、団体名を「NPO法人アクセプト・インターナショナル」に改称。若者のテロ組織への加入を食い止めるため、国連人間居住計画(UN-Habitat)のアーバン・ユース・ファンドのメンターとしても活動中。 著書に『僕らはソマリアギャングと夢を語る─「テロリストではない未来」をつくる挑戦』(英治出版)、『ぼくは13歳、任務は自爆テロ。:テロと戦争をなくすために必要なこと』(合同出版)がある。

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